アンリ=ジョゼフ・ルドゥーテ「ナイル川の魚介」
〜ルドゥーテ弟がナポレオンのエジプト遠征に同行し、ナイル川の魚を記録したもの。歴史的科学的に価値ある一枚。インテリアを格上げします。ルドゥーテ展2003展示作品〜
画家:
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Henri Joseph Redoute アンリ=ジョゼフ・ルドゥーテ
(ピエール=ジョゼフ・ルドゥーテの弟)
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原典:
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『エジプト誌・自然』よりナイル川の魚介(1809−30年)
『Description de I’Egypt. Histoire naturelle』
Zoologie, Poisson de Nil (Paris 1820)
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手法:
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単色銅版画図版、手彩色
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フレーム (額縁):
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アンティーク調木製額 (額縁つきのお値段です)
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マット:
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額縁と合わせたライナーつきマット
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表面:
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アクリル板(ガラスより軽いので、このくらい大きな絵の場合は、アクリルがおすすめです。)
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裏面:
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つりひも付き(背面、左右よりつりひもがかかっています)
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外寸:
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およそ 68.7cm *
91.5cm |
歴史的にたいへん貴重な書物「エジプト誌」。 ナポレオンのエジプト遠征での成果です。 そのエジプト遠征に同行した博物学者、ルドゥーテの弟アンリが描いた、ナイルの魚の図鑑です。
この絵のなりたち(長いのですが、読んでくださいね)
ナポレオンのエジプト遠征とは
この絵は、ナポレオンのエジプト遠征に同行した、ルドゥーテ弟、アンリ=ジョゼフ・ルドゥーテが描いたものです。 では、ナポレオンのエジプト遠征とはなんなのか。
ナポレオンは、皇帝になる前、エジプト遠征をしています。
なぜエジプトに行ったのか。
それは、敵国イギリスにとって、エジプトが重要拠点だったから。
イギリスは当時、植民地インドから珍しいものを運んできては売りまくり、経済を発展させていました。ということは、インドとイギリスを結ぶ航路を断ち切ってしまえば、イギリスに大打撃を与えられるわけです。で、イギリス−インド航路の途中にある重要拠点がエジプトだった。だからナポレオンは、エジプトを攻略しようということになったのです。
それがいわゆる「エジプト遠征」(1798-1801年)です。
結果は失敗に終わります。
学者をたくさん連れていった
ところでこのエジプト遠征に、ナポレオンは多くの学者を連れていきました。
エジプトを一大フランス帝国の一つにし、文明化させる過程では、識者が必要だということ。また、ナポレオン自身も古代エジプト文明に敬意と関心を払っており、エジプトの謎を解明したかったという説もあります。
学者団は167名。そのなかには、数学者のガスパール・モンジュ、数学者フーリエ(「フーリエ変換」で有名)、化学者のクロード・ベルトレーがいます。そして、博物学者として、ルドゥーテの弟であるアンリもいたのです。
学者たちは、分野に応じて、エジプト遺跡やナイルの自然を研究しました。
その途中で発見されたのが「ロゼッタ・ストーン」です。せっかくナポレオン率いる学者団が発見したのに、イギリス軍に負けたため、ロゼッタ・ストーンもイギリス軍に取られてしまいました。だから今もそのまま、ロンドンの大英博物館に所蔵されています。
学者団の成果「エジプト誌」
そしてこの学者団167名のエジプト遠征での研究成果をまとめたものが、「エジプト誌」です。大冊24巻から成ります。命からがら帰還した学者たちで、なんと26年かけて完成した超大作です。
「古代と近代の両方におけるエジプト文化と建築について、十九世紀初頭までに見られたもののうち、最も本格的な見解を提示している」(*1) 学術的にも歴史的にも、驚異的に高度な内容の、価値ある書物です。
エジプト遠征はたいへん過酷なもので、暑さとペストの流行のなかで、学者団もバタバタと死んでいきました。
特大のページが大量に必要だったため、パリの製紙工場が総出で生産にあたりました。耐久性をもたせるために、重い麻のページが使われ、印刷は高くつきました(*2)。
そんなふうにしてできた1ページが、こちらなのです。
当時の紙のままです。
こちらは、「ナイル川の魚介」を担当した、ルドゥーテの弟アンリが描いた1ページです。
白黒で刷られ、魚の色は後から手彩色されました。 ナイル川流域の魚も植物も、当時のフランス人にとっては未知のものばかり。大きな研究対象となりました。学術的にもたいへん貴重な資料です。
ルドゥーテ展覧会でも展示されました
またこちらは、版画作品として美術的にも非常に優れたものです。アンリ=ジョゼフ・ルドゥーテ、魚の描写ひとつひとつに、兄ゆずりの卓越した才能を見せています。兄ピエールがバラの花びらやトゲを一つ一つ繊細に描いたように、魚のウロコ一つ一つ、質感豊かに描きあげています。
2003年の渋谷Bunkamuraで行われたルドゥーテ展覧会では、兄ピエールのバラ作品とともに、こちらの弟の魚の作品も同時に展示されました。 記憶にある方もいらっしゃるかもしれません。
価値ある歴史資料をインテリアに
本作品「エジプト誌 ナイル川の魚介」は、映画「泥棒役者」で、タイトルトップに使われました。市村正親さん演じる絵本作家の住む豪邸の、メイン壁に飾られたものです。映画のポスターや宣伝写真にも、すべてこの魚の絵が写っています。
有名絵本作家という絵のプロフェッショナルが、自宅の壁に飾るものとして、ただの絵ではなく、このように学術的歴史的に価値のある一枚を持ってきたというところが、非常に深い。深いです。 主人公の人物像を示すメタファーになっています。
科学や美術や歴史に造詣の深いみなさまのお宅を飾る、とっておきの一枚として、たいへんにおすすめです。
日本ではほとんど、手に入りません。 稀少なチャンスです。 ぜひこの機会にお求めください。
額装つき、税込みのお値段で、お買い得です。
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参考文献: Nina
Bureleigh(2007). MIRAGE: Napoleon's Scientists and the Unveiling
of Egypt HarperCollins Publishers 竹内和世(訳)(2011).
ナポレオンのエジプト 白揚社 *1)p.319 *2)p.319
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