ミルトン「失楽園」より マーティン 「天国の門に達するサタン」1824年原本〜イギリス文学史上の最高傑作「失楽園」の神々しい挿絵〜 作: | John Martin, ジョン・マーティン(1789-1854, 英国) | 手法: | 銅版画、メゾチント技法 | 額縁: | ゴールド色系 (額縁つきのお値段です)
額縁の変更はできません | マット: | アイボリー | 表面: | ガラス | 裏面: | つりひも付き(背面、左右よりつりひもがかかっています) | 外寸: | およそ * cm |
あのミルトン『失楽園』The Paradise Lost を描いた壮大な版画のご紹介です。 失楽園とは 『失楽園』(1667)は、イギリスの詩人ジョン・ミルトン(1608-1674)による叙事詩です。 旧約聖書の創世記に取材したもので、ダンテの『神曲』と並び称されるキリスト教文学の傑作と言われています。 神に反逆し敗北したルシファー(=サタン)を主人公として描いており、サタンが地獄に堕ちたところから物語は始まります。
サタンが神への復讐のためにイブに知恵の実を食べさせ、アダムとイブが楽園を追われるまでの物語です。サタンが蛇に化けてイブをそそのかす場面は有名ですね。 反逆のアンチヒーローとして描かれたサタンは魅力的で、発表当時「ミルトンは悪魔に肩入れしているのではないか」と問題になったそうです。 執筆当時、ミルトンは既に失明していたので、『失楽園』は口述筆記で書かれました。 こちらは、160年の時を経て、マーティンの手により具現化されたサタンの姿です。 堂々として美しく、神々しくもあります。 ジョン・マーティン(1789-1854)はイギリスのロマン派の画家、版画家です。 ガラスや磁器の絵付けから画業を始めたマーティンは、画面いっぱいに描く壮大な風景画で人気を集めました。 彼が1827年に出版したのが、挿絵入り本の『失楽園』です。 『失楽園』はメゾチントという版画技法で描かれました。版画では他に『旧約聖書』の挿絵も描き、『失楽園』とともに広く流布しました。 『失楽園』は、日本では町田市立国際版画美術館や静岡県立美術館などにも所蔵されています。 メゾチント技法 この版画はメゾチントという製法で作成されました。 メゾチントとはイタリア語で「中間の調」といった意味合いで、黒から白まで豊かな階調表現ができるのが特色です。 フランス語では「マニエール・ノワール(黒の技法)」とも言われます。 製法としては、まず銅板全体にギザギザの傷をつけます。 そうすると溝にインクが含まれるので、印刷した時に黒くなります。 次に先ほどつけた溝をつぶしたり削ったりし、白色や灰色にしたい部分を出して絵を描きます。 印刷する際は、ギザギザの部分にインクを刷り込み、削られた部分はインクをぬぐいます。 こうすることでギザギザの部分は黒く、削られた部分は白く浮き出るのです。 地獄に差す光が神々しく印象的に描かれているこの作品。 メゾチントだからこその鮮烈な白黒の濃淡で、天国と地獄のコントラストがうまく表現されています。 原本です。複製ではありません。 紙の折り目やインクのスレなど、当時のままです。 紙は当時の手すきの紙です。
日本ではほとんど、手に入りません。 稀少なチャンスです。 ぜひこの機会にお求めください。 額装つき、税込みのお値段です。
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