ジョン・グールド「ヨーロッパ鳥類図譜」より
ムナオビエリマキヒタキ Pied Flycatcher
〜素朴で愛らしいヒタキ。難あり(数センチの破れを修復したもの)ですので、お求めやすい価格でのご提供です〜
作:
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John Gould ジョン・グールド(1804-1881,英国)
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原典:
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ヨーロッパ鳥類図譜『The Birds of Europe 』(1832-37年)ロンドン,初版
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手法:
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手彩色石版画
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シート寸法:
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インペリアル・フォリオ判
約55.5 * 38.4cm
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額縁:
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アンティーク調の木製額 (額縁つきのお値段です)
*額装部材は新品です
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外寸法:
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額装後は、およそ76*55cmくらいになると予想されます。
お選びになる額装によって異なります。
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ヒタキ科ムナオビエリマキヒタキ(Pied Flycatcher)
「ヨーロッパ鳥類図譜」からの一枚。
枝に留まりながらも、エサとなる虫を目で追っている姿が、なんとも愛らしいものです。
この虫はごく小さくかわいいものですので、嫌悪感を持たれる方はあまりいらっしゃらないと思います。
グールドらしい青空がさわやか。
白黒が基調の鳥はいっけん地味に感じますが、インテリアとして飾るには、どんな部屋にも合わせられて取り入れやすいものです。
仲良しの3羽の鳥が幸せそうです。
こちらは、シートに数センチの破れが2か所あり、裏からテープ貼りで修復されています。
専門の技術者による修復です。
裏面を見ればテープがあるのでわかりますが、オモテからはほとんどわかりません。
そのため、たいへんお求めやすい価格になっています。
色の美しさはそのままですし、ご理解のある方には大変お買い得です。
ジョン・グールドとは
1804-81年イギリス。鳥類学者、鳥類画家の歴史的な第一人者です。写真のないこの時代、石版画の驚愕の技術で鳥類を美しく描き、鳥の研究に寄与しました。
ダーウィン「種の起源」のもとになったグールドの研究
学術的にはなんといっても、ダーウィンとともに研究をすすめ、「種の起源」執筆に大きな影響を与えたことが大きいでしょう。
ダーウィンがガラパゴス諸島で発見した鳥の特徴にグールドが気づき、それがあの「種の起源」構想のもととなったのです。グールドがいなかったら、ダーウィンの「種の起源」もなかったかもしれません。
そしてグールドは鳥の研究に、世界各地をまわります。当時は未開の地であったヒマラヤの鳥を求めて赴いた成果が「ヒマラヤ山脈百鳥類図譜」(1832年)、同じく未知の世界であったオーストラリア大陸に渡りつくりあげたのが「オーストラリア鳥類図譜」(1848年)。
同じく未知の大陸であったアメリカ。アメリカ大陸にしか生息しない鳥であるハチドリには大きな興味を示し、「ハチドリ科鳥類図譜」(1861年)を完成させます(左の写真は、そのうちの一枚です)。
こういった過程でグールドはたくさんの新種を発見します。科学者として鳥類学に残した功績は、はかりしれません。
博物画史上、最も美しく繊細な鳥類図譜
そしてまた、50年以上にわたって制作され続けた図鑑中の鳥の絵は、美しい石版画作品として、芸術的にも高い評価を受けています。
グールドの鳥類図譜制作は、妻のエリザベスと二人三脚で始まりました。グールドがスケッチしたものを、奥さんが石版画におこすという方法です。
妻エリザベスは芸術的才能に優れた人で、質の高い石版画を仕上げました。グールドの鳥類図譜がただの科学的な図鑑にとどまらず、芸術的に美しいのは、この奥さんのおかげだといわれています。彼女は涙ながらに乳児を親類に預け、夫グールドについて世界を航海し、オーストラリアにまでも同行しています。
鳥類は、とくに南国のトロピカルな鳥になりますと、色彩が派手で華やかになります。玉虫のような光彩があったり、金箔のような金属色があったり、それを手彩色石版画で見事に表現しています。
当時、科学者とは関係のない貴族のあいだでもその絵の美しさは評判となり、図譜をコレクションする人々が多く生まれました。
現代でもグールドの鳥の絵は、たいへんな人気があります。
実際の作品を目にしますと、その大きさ、色彩の美しさに圧倒されます。
なぜ大きいかといいますと、グールドは鳥を実物大で描こうとしたからなのですね。
よって、大型の鳥類ほど画面いっぱいに描かれています。
まるで鳥の息づかいが聞こえてくるかのような、羽の感触が伝わってくるかのような、いきいきとした躍動感に満ちあふれています。
日本の皇室とのゆかり
わが国では、ご結婚前の紀宮さまがご勤務先の山階鳥類研究所にて、グールドの鳥類図譜を研究なさっていたことでも知られています。
ご著書も出版されています。
紀宮清子著「ジョン・グールド鳥類図譜総覧」2005年
天皇皇后両陛下はじめ秋篠宮家の方々も、グールドの展覧会をご覧になっています。
ヨーロッパ鳥類図譜とは
グールドが20代後半で取りかかり、33歳のときに完成した図譜です。
ちょうどこちらを制作しているころ、ダーウィンと協働で、進化論のきっかけとなる研究を行っています。
研究者として、波に乗っていた時期なのではないでしょうか。
鳥の背景に、美しい青い空や木々を描くのはグールドの真骨頂ですが、その手法はこのころ確立されたものです。
「ヨーロッパ鳥類図譜」、それまでのヒマラヤなどとは違い、イギリス人のグールドにとっては、「地元」になります。これまで異国の珍しい鳥を研究することに焦点があてられていましたが、ここで、自国にもたくさんいる自然の鳥たちにも目を向けてみることになりました。
当店で販売するグールド作品について
グールド作品には、現代になってから着色された「モダン・カラーリング」 または「レイター・カラーリング」と呼ばれる安価なものがありますが、それではありません。「モダン・カラーリング/レイター・カラーリング」とは、現代まで捨てられずに残っていた石版を使って白黒で刷り、あとから色をつけたものです。
その場合は、価格は半値以下になります。
当店でご提供する作品はどれも、とても貴重な、19世紀に制作されたオリジナル手彩色石版画です。
稀少なチャンスです。
ぜひこの機会にお求めください。
額装つき、税込み、送料込みのお値段で、お買い得です。
額装は、お客様のご希望に合わせた仕様で承ります。
額装の仕様が決まってから、およそ一週間での発送(出荷)となります。
お届け日のご相談承ります。ご要望お気軽にお知らせくださいませ。
*こちらの商品は、「送料無料」でお届けします。
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